JT(日本たばこ産業)の株価はどこまで下がるのか分析します。
▼JT株価まとめ
・JTの株価は業績が回復しないかぎりどこまでも下がる
・配当性向がすでに高いので今後の増配は期待できない
・配当が減配になれば、さらなる株価下落のリスクあり
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なぜJTの株価は上がらないのか
タバコが世界的に売れていないから。
なんでJTの株価が上がらないのかって、シンプルにそんなに業績がよくないんですよね。
世界的にタバコの売上が伸びていません。
これがJTの株価が下落する最大の要因です。
たばこ事業は利益率が高いとはいえ、結構厳しいと思います。
JTは58%が海外タバコの売上となっています。
ということは「そもそも海外のタバコ事情ってどうなの?」という点に着目する必要があります。
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海外のタバコ事情
▼世界で一番売れているタバコ「マルボロ」
「マルボロ」を販売している世界最大のタバコメーカー「アルトリア・グループ」の売上の推移を見ていきます。
2014年:245億ドル
2015年:254億ドル
2016年:257億ドル
2017年:255億ドル
2018年:253億ドル
2019年:251億ドル
売上は横ばいです。
他の海外タバコメーカーもそうですが、ほとんどが横ばいの決算です。
タバコ業界はここ数年横ばいの売上ということが分かります。
「これからタバコ業界が盛り上がる!」というマインドにならないと株価が上がることはないでしょう。
JT(2914)株価情報
それではいろいろ指数などチェックしていきましょう。
JTの株価
株価:1812
PER:10.54倍
PBR:1.33倍
配当利回り:8.5%
2020/07/31のデータ
配当利回り「約8.5%」の超高配当!
正直、JTじゃなければ誰も買わない地雷高配当の領域です。笑
JTの事業内容
・たばこ事業
・医薬事業
・加工食品事業
実際はたばこ事業だけやっているわけでもないです。
事業セグメント
国内たばこ:29%
海外たばこ:58%
医薬:5%
加工食品:8%
実は海外たばこが58%と売上の大部分を占めています。
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JTの株価の推移
▼10年チャート
JTの株価はどこまで下がるか分からない
過去の利益を見ると2013年までさかのぼります。
2011年が「2433億円」なので、今年の「2800億円」と近い数値となります。
その当時の「約1,500円」までJTの株価は下がってもおかしくないですね。
業績が右肩下がりなのでそれに伴い、JTの株価も右肩下がりとなっています。
つまり、決して割安というわけではないのでそこは注意です。
売上収益の推移
参照:https://www.jti.co.jp/investors/individual/finance/index.html
国内たばこの売上が減少中。
2013年から国内たばこの売上が減少しています。
日本全体が禁煙ブームで、最近では喫煙する人自体減っているのを感じますね。
海外たばこの売上は横ばいです。
売上高の推移
JTは世界的に見ると売上は第4位です。
完全にiCOSに食われてます。
営業利益率が高いのがJTの強みで、安定したキャッシュフローを生み出すことで高配当を実現しているのですが、その自慢の営業利益率が下がっているのが気になりますね。
財務状況
キャッシュリッチ企業。
借金が少ないですね。
自己資本率も約50%で合格ラインです。
ROEも高く、このあたりのステータスはやはり優秀と言わざるを得ないですね。
JTの配当金の推移
配当金を出しすぎている。
JTの2020年は以下の予想です。
◆予想一株あたり利益「161円」
◆予想配当「154円」
配当性向は80%→90%→95%と、かなり厳しい状況に追い込まれています。
これがやりすぎだということはJTも分かっているはずですが、減配したときの株価下落リスクを考えているのでしょう。
そして2020年7月31日の決算で通期業績を下方修正しています。
ということで90%だった配当性向はなんと驚愕の95%に・・・。
増配はまずありえないです。
減配にリーチが掛かっている状態ですね。
JTの配当性向の推移
参照:https://www.jti.co.jp/investors/individual/finance/index.html
JTは今後これ以上の増配は考えにくい。
株主からしたら配当性向が高いのはありがたいことですが、利益も上がらないと意味がないので、今後の増配は難しいでしょう。
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JTの株主優待
参照:https://www.jti.co.jp/investors/stock/privilege/index.html
100株で「2,500円相当」のJTグループ商品がもらえる。
2018/11/27よりJTの株主優待制度が変更されています。
今まで優待は年間2回(6月、12月)もらえていましたが、新優待制度では12月末の1回が権利月で、さらに優待がもらうためには「1年以上株式保有」が条件となりました。
優待狙いの方は要チェックです。
JTは有名なキャッシュリッチ企業ですし、たばこ事業なので倒産することはまずないでしょう。
ただ購入するには日本タバコと海外タバコの売上と株価の底打ちを確認してからですね。
以上。