日産自動車(7201)の株価が上がらない理由を考察。
▼日産株価まとめ
・10年ぶりとなる安値更新
・1Q経常利益は78%減益
・2Q経常利益は54.8%減益
・3Q最終利益は260億円の赤字見込み
・配当は40円→10円で確定
日産の株価情報
株価:494.7
PER:29.78倍
PBR:0.38倍
配当利回り:2.02%
2020/02/18のデータ
以前から「減配の可能性あり」と書いていましたが、予想通り減配となりました。
上期は10円の配当です。
日産の配当利回りは6%ぐらいありましたが、一気に2%まで低下しました。
噂ですが、高配当にして大株主である「ルノー」にお金を渡していたという説もあります。笑
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日産の株価の推移
▼10年チャート
▼1年チャート
日産の株価は10年ぶりの安値更新。
10年チャートで見ると、全く日産の株価が上がっていないことが分かります。
ずっと「1000円~1200円」のレンジでしたが、カルロス・ゴーン会長の件もあり、2019年から日産の株価は一段と下がっています。
そしてついに10年ぶりとなる安値を更新しています。
日産の株価が上がらない理由
これには3つ理由があります。
1.高配当だから
2.自動車業界の今後に期待感が持てない
3.円安に反応しなくなってきている
高配当銘柄の宿命ですが、株価本体が上がりにくいという特性があります。
▼いちよし証券(8624)の5年チャート
高配当で有名な「いちよし証券」は配当利回りが6%ほどありますが、こちらも株価本体の方は上がりにくい状況です。
理由としては、配当権利日翌日の値下がりが激しいからです。
配当が5%出たとしても「株価本体が5%下がる」という状況です。
実際日産も2016年から配当利回りが4%になっており、そこから株価が上がりにくくなっています。
2つ目の理由として、自動車業界が成熟していて、今後どんどん儲かるようなイメージがつきにくいからです。
株価が上がる理由はみんなが「これから儲かる」と思うからです。
日産含め、自動車銘柄はすでに時価総額もかなり大きいので株価本体は上がりにくい傾向にあります。
さらに自動車関連の最大の買い材料である「円安」に関しても、最近はドル円がほとんど動かないので自動車関連にとっては痛いですね。
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日産の配当金の推移
2010年からの連続増配がストップ。
さすが高配当銘柄といったところでしたが、40円としていた配当は上期10円で下期0円ということで、連続増配はストップです。
配当利回りの推移
2014年:3.3%
2015年:2.69%
2016年:4.04%
2017年:4.41%
2018年:4.8%
2018年:2.02%
2019年3月は配当性向が44%になっているので、今後も増配し続けるのは難しそうですね。
2020年の予想にいたっては配当性向100%近くあるので、減配する可能性は高いです。
→予想通り減配となりました。
日産の配当はなぜ高いのか
日産の配当が高いことを疑問に思っている方もいると思います。
これはただの経営方針なので特に理由はないですが、株主を集める手段として配当を高く出しているということは考えられますね。
これからどんどん事業を拡大しようと考えている企業は配当がほぼ0に近いです。
安定期に入っている会社ほど配当が高い傾向にあります。(NTTドコモ、JT など)
あとはルノーにお金を渡すためという噂もあります。
日産自動車の業績の推移
結局日産自動車の業績はどうなのかも見ていきましょう。
営業利益の推移
2020年の予想を2,300億円→1,500億円→850億円に下方修正。
2015年 5,895 億円
2016年 7,932 億円
2017年 7,422 億円
2018年 5,747 億円
2019年 3,182 億円
2020年 850 億円(会社予想)
営業利益は企業の「本業で稼ぐ力」を見る数字ですが、株価と同じく右肩下がりです。
こんなに業績が悪化するとは悲しいですね。
1株あたり利益の推移
1株あたり利益も43円→28.1円→16.6円に下方修正。
2015年 109 円
2016年 125 円
2017年 165 円
2018年 191 円(過去最高)
2019年 81 円
2020年 16.6 円(会社予想)
高配当銘柄であれば必ずチェックしたいのが一株あたり利益(EPS)です。
ココ最近は右肩下がりです。
日産は「1株あたり利益=配当額」となっているので、配当を出しすぎですね。
やはり配当性向100%は無理があります。
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まとめ
業績に対して今後への期待感が持てないから高配当でも割安。
日産は高配当ということで注目を集めていましたが、配当も普通ですし、業績も期待でいないので今は絶対買わない方がいいですね。
経営が復活するまでは様子見推奨です。
「日産は今が株の買い時なんじゃないか」と思っている人もいるかもしれませんが、そうではないのが現状です。
特に、月次売上を見ると分かります。
日産は海外比率が高いですが、その海外で販売台数「前年同期比 -8%」と減少しています。
この月次売上が回復してこないことには日産の株は買いではないと考えています。
EPSの減少もそうですが、売上が回復してこないと根本的に厳しいので、日産の株をリバウンド狙いで買いたい人は月次売上の発表に注目しましょう。
以上。