武田薬品工業(4502)の株価を分析。
武田薬品工業は配当金が良いことで有名ですが、タコ足配当で危険な株としても知られています。
▼武田薬品工業株まとめ
・2020年大幅赤字予想
・意地でも配当金は減らさない方針
・M&Aをよくするので適正株価が分からない
→長期保有でNISAはおすすめできない
武田薬品工業(4502)株価情報
それではいろいろ指数などチェックしていきましょう。
武田薬品工業の株価
株価:3,679
PER:--倍
PBR:1.18倍
配当利回り:4.89%
2020/03/11のデータ
予想配当利回りは、高配当の目安「3%」を余裕で超えています。
武田薬品工業の事業内容
国内製薬首位。
がん、中枢神経、消化器領域がメイン。
M&Aや事業売却も積極的。
武田薬品工業といえばM&Aですね。
最近ではアイルランドの製薬大手企業「シャイアー」を約7兆円で買収しています。
手続きは2019/01/08に完了しました。
事業セグメント
医療用医薬品:96%
ヘルスケア:4%
ほとんどが医療用医薬品です。
武田薬品工業の株価の推移
▼10年チャート
▼1年チャート
武田薬品工業の株価は動きやすい。
普通、医薬品セクターの株価ってこんなに上下しないんですけどね。笑
「武田薬品工業は株価が荒れやすい特徴」と知っておけば、狼狽売りせずに済むと思います。
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経常利益の推移
過去最高は2007年の5,850億円。
2015年:-1454 億円(上場来初)
2016年:1205 億円
2017年:1433 億円
2018年:2172 億円
2019年:948 億円
2020年:-1400 億円(会社予想)
過去最高の経常利益と比べると現在半分もないのでもっとがんばってほしいですね。
ちなみに売上は2016年が過去最高です。
また、2015年には上場来初となる最終利益赤字決算です。
赤字の原因としては糖尿病治療薬「アクトス」を巡る訴訟問題の和解金を支払ったためです。
そして2020年また赤字の予想となっています。笑
原因としては6兆円を投じたアイルランド・シャイアー社の買収が影響しています。
一体この買収どうなってしまうんでしょうか・・・。
財務状況
自己資本比率:48%
有利子負債自己資本比率:49%
ROE:9.6%
EPS:239円
配当金:180円
M&Aが多いのでもっと有利子負債は多いのかと思っていましたがそうでもないですね。
ROEも10%近くあるので問題ないでしょう。
武田薬品工業の配当金の推移
問題の武田薬品工業のタコ足配当についてです。
▼武田薬品工業の配当金は2009年からずっと180円
他の企業ではなかなか見れませんが、配当性向が100%を超えています。笑
高配当株でかならずチェックしたい指数がEPS(=1株あたり利益)です。
2016年を例に見てみるとEPSが「147円」となっていますが配当金は「180円」です。
1株の利益が147円しかないのに180円の配当を出す、これを一般に「タコ足配当」と呼びます。
普通はそうならないように「減配」という形で調整する企業が多いですが、武田薬品工業のポリシーでしょうか。
意地でも減配しないつもりだと思います。
利益が下がると結局株価も下がるので、長い目で見ると配当出してる場合じゃないですけどね。笑
配当に回すお金があるなら利益を上げる方にお金を使ってくれと、自分が株主だったらそう思います。
そして大赤字予想の2020年も180円の予想です。
ここまで来ると逆に感動しますね。笑
まとめ
武田薬品工業は様子見推奨。
2015年に上場来初となる赤字になっています。
武田薬品工業はM&Aをよくやっているので今後もまたシャイアー級のM&Aをする可能性は高いです。
この買収の金額が妥当か、そもそもこの買収は失敗かどうか、などの判断が難しいので正直積極的には買いにくいですね。
業績も株価も激しく上下する銘柄なので、高配当だからといってホールドするにはリスクが高すぎる株です。
現在割安水準にあるのも、「手を出しにくいからわざわざ買う必要もない」とも考えられます。
シャイアーのM&Aの額がでかすぎて適正株価判断不能なので、落ち着くまで様子見推奨です。
以上。